本日のブログ担当の池田です。
そこで今回は紅葉と言えばやっぱりモミジ。
もみじとカエデの違いを考えてみましょう。
もみじの語源は秋に葉が赤や黄色に色づき、変わっていく様子を古く「紅葉づ(もみづ)」と言った動詞から転じたことから由来しており、
秋に冬支度する落葉前に色づく植物全般を総称して「紅葉づ」と行っていたようです。
中でも葉の切れこみの深い赤ちゃんの手のようなイロハモミジ葉が大変美しく好まれ、
鑑賞されたところから人の手を広げたか達の葉を代表してもみじと呼ばれるようになり、
またカエデは「蛙手(かえるて)」が転じたものと言われ、
カエルの水かきのある足の形のように切れ込みの浅い葉をカエデと呼ぶようになったと考えられています。
しかし、このような区別は日本的な園芸上のことで、植物学的にはもみじもカエデも「カエデ」と言い、ど
ちらも分類上カエデ科のカエデ属の植物です。もみじという科や属はありません。
カエデ科植物は日本を始め北半球に広く分布し、各地に自生しています。
自生地の気候や地形、地質、海抜などの環境に適応して、葉の形や大きさ、葉色、樹形などの性質や形態が個々に変化・進化して雌雄同株、
その中間の雌雄別株の品種や、また、熱帯にまで進出していったものは、落葉せずに常緑してしまった珍しいものなどバラエティに富んでいます。
北米のサトウカエデ、ヨーロッパ産のプラタノイデス、ノルウェーカエデ、コブカエデ、中国産のトウカエデなど知られていますが、
これに近い品種を含め、実に世界的にみても数多くの野生種が凝縮したように日本列島の中に自生し、
特に日光国立公園の地域はカエデの自生する品種の密度が高いところで、秋の紅葉の名所といわれる由縁であります。
また、もみじとして親しまれているカエデは中国や朝鮮半島に数種の自生があるのみで、
それ以外は日本列島にあり、わが国はカエデ科植物の宝庫と言ってもよいのです。
カエデもそうですが、もみじと呼ばれるカエデは日本の秋をまさに代表する植物です。
これらの自生種の中からすぐれた色を出すものを拾い集め、
より見ごたえのあるものや変わり葉の園芸品種を江戸時代から作りだし、栽培、コレクションされてきました。
その中には秋の紅葉のよい品種と、芽吹きから初夏に鑑賞される春もみじとがあります。
第二次世界大戦の時になくなってしまった品種もありますが、
今日では品種を復元し、より美しい品種が沢山作られました。
現在では、原種、園芸品種を合わせて四百種類以上になります。